最高の上司とは?
経営トップに上司はいませんが、過去を思い出してみてください。
ロールモデルにした人、自分を成長させてくれた人、様々な良い上司のタイプが思い浮かぶと思います。
では、管理職研修でこの問いを立てると、どのような回答が返ってくると思いますか?
必ずと言っていいほど共通して出てくるのは、
「機嫌の良い上司」
です。
優秀な経営者は、感情を抜きにして行動する傾向が強いので、理解し難いかもしれません。
しかし、会社員の多くが求めている「良い上司」とは「機嫌の良い上司」なのです。
実際に、上司の発している感情は、想像以上に部下に影響を与えているものです。
感情を表に出さないことも含めて、部下は上司を観察しています。
つまり、職場の雰囲気を大きく左右するのです。
それは即ち、自分の意図がどうであれ、自分の感情には、自分で責任を持たなければならないことを意味します。
組織風土は上司の責任
管理職がこのことを理解できていないと、どうなるでしょうか?
会社全体の生産性が下がります。
上司の機嫌が悪ければ、雰囲気が悪くなり、些細なトラブルが生じやすくなる。
機嫌がよければ、雰囲気が明るくなり、コミュニケーションがスムーズになる。
上司のコンディションによって状況が左右される職場なんて、誰しもできれば在籍したくありません。
離職率が高まり、人も育たない。
上役におもねる人間だけが幅を利かせる組織になってしまいます。
「機嫌の良い上司」が良い上司だと思ってしまう背景には、このような事情があるのではないでしょうか。
そういった組織風土を看過して、優秀な社員を採用したところで明るい未来を描くことは難しいでしょう。
良い種を蒔くなら、ちゃんと芽が出て、すくすく育つような土壌を用意することが必要なのです。
これは特に新卒採用を行っている企業においては、将来の事業成長を左右する重要なポイントとなります。
とはいえ、何も難しく考える必要はないのです。
昨今、脳科学や幸福学を背景に「人に親切にすることが自分の幸福度を上げ、しかもそれは親切にしてもらうことより長続きする」と言われています。
自分の機嫌を良くするためにも、人に親切にしてみる。
実は、そんな簡単なことから、管理職の機能向上に着手することができるのです。