なぜ、分かってないのに「分かりました」と言うの?
部下「分かりました」
〜時間経過〜
上司「分かってないないじゃん!」
あるあるですが、ゲンナリしたことありますよね?
新卒3年目研修のワークで、このような会話を耳にしたことがあります。
Aさん「上司が言っていることは、とりあえず『分かりました』って言っちゃうよね?」
Bさん「言う言う!」
Cさん「でも結果分からなくて、後で困って先輩に聞いて、また怒られるとかってしょっちゅうだよ」
A&Bさん「だよねー!」
さて、このやりとり、どのように感じますか?
最近の若手の「空気を読み過ぎる」傾向を顕著に表していると私は思います。
Z世代の発想の根底には「つながりと不安」があります。
自分の意思表示が苦手で、空気を読み過ぎ、とりあえずその場に合わせた対応をしてしまう。
この時の彼らの心理は、
「聞いたら、悪いかな」
「怒られるかな」
「評価が下がるかも」
「自分だけかな」
「どこが分からないか分からないから聞けない」
です。
呆れて物が言えないかもしれませんが、私たちはこうした傾向を理解したうえで、日々のコミュニケーションを取る必要があります。
若手が間違っているのか?
知識・経験・情報が豊富な状態にある人の多くは、分からない人の立場や感覚が分からなくなってしまうものです。
さらに、もし分からないなら、
「自分から聞いてくるはずだ」
「自分から聞いてくるべきだ」
と思っているので、
「聞いてこないのが悪い」
と考える傾向が強いです。
しかし、今の若手の思考回路を「間違っている」と捉えるのは、誤りです。
あるのは世代間の「違い」であって「間違い」ではありません。
分からない人の目線に降りて相手の理解度を確認しないと、認識のギャップが生じます。
些細な食い違いを見逃すと、結果的には大きなミスやクレーム、はたまた部下のメンタル不調など思わぬ結果が返ってくる可能性がままあります。
正直に言ってしまえば、少々面倒くさいことかもしれませんが、早め早めの細やかな対処をしていきたいところです。
ちなみに、先述の3年目研修の受講者は、それで開き直って終わりというわけではありませんでした。
そうした傾向があることを認識したうえで、自分の後輩には必ず理解しているかを確認するようにしているそうです。
自分の経験をしっかり後輩指導に役立てていることは、とても頼もしいですね。
結局は、一人の人間同士の理解
詰まるところ、世代間のギャップとは、単にお互いの不理解でしかないのです。
「世代」という言葉で丸めて扱おうとせず、目の前の相手と一人の人間として向き合って、正面から理解すること。
自分の価値観のフィルターを通して相手を見てしまうのではなく、素の相手をしっかり見つめるようにしてみてください。
相手の価値観と自分の価値観は、必ず異なります。
育ってきた時代背景や環境が違うのですから、同じ考え方であるはずがないのです。
お客様の声
大野講師の研修は一方的にやらされるものではなく、自ら興味を持って参加しやすい研修で気づきも多く、状況に合わせて丁寧にカスタマイズしてくださるので、また受けたいと大好評でした!
人事部長
石川 孝子 様